留数を何らかの方法で求められれば,積分の値が求まることを前回述べた.
その「何らか」の方法はローラン展開された式から分かる.
例えば関数の点におけるローラン展開が次の形だったとしよう.
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両辺にをかけると,分母が払われて
となる.を両辺に代入したくなるが,では定義されていない.
そこで代わりに極限をとる.
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これはまさに留数を求めたことになる.
これならばどうだろうか.
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両辺にをかけて分母を払う.ここまで上と同様である.
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ここで上と同じように,そのまま極限をとりたくなってしまうがそれはいけない.
実際に計算してみるととなる.
ではない.求めたいのは留数である.
したがって一工夫が必要になる.微分してから極限をとるのである.
やってみよう.両辺一階微分する.
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における極限をとる.
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大成功,というわけだ.
一般にローラン展開の負べきの部分(主要部という)が,個であるとする.すなわち
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の場合を考える.
一番大きい分母を払うようにをかけ,階微分し極限をとる.
多項式の微分なのでべきが係数としてあらわれることに注意する.
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以上から次の等式が得られる.
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主要部が有限でおさまるときには,こうして留数が求まる.
このとき点は位の極である,という.