べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

三角関数の定義を級数で行った場合の加法定理の証明

三角関数の定義は幾通りか存在する. ここでは級数で定義し,加法定理を証明する.定義.(三角関数) および と定義する.□定理.(三角関数の加法定理) 等式が成立する.□(証明) (二項定理) (組み合わせの定義) (☆) .(証明終)途中の変形(☆)…

位置エネルギーって何だ?

位置エネルギーといえば,高いところとばねのイメージしかない. しかし実際には他の力でも位置エネルギーの概念があるようだ.大前提 1.エネルギーをもつ,とは物が仕事をする能力のことである 2.エネルギーがE[J]である,とはE[J]の仕事をする能力をも…

留数定理その2

べき級数の話を少しする.級数を考える.定理. あるで級数が収束するならば, すべてのにおいては絶対収束する.□(証明) であるから,が成り立つ. これより,すべてのに対してとなるが存在する. 任意のに対して, (よりであるから無限等比級数の和の公…

直線に垂直な幾何学的ベクトルについて

点と直線の距離でも登場した話である.命題. 直線に垂直な方向の幾何ベクトルのひとつはである.□(証明) 直線と直線は平行である. この式をと考えれば,直線とは垂直であることを意味する. ゆえに直線とも垂直である.(証明終)

留数定理その1

ある領域において正則な関数を考える. 任意のに対して,円周上の複素積分を考える.命題. □(証明) 円周の媒介変数表示は ()で与えられる. 複素積分の定義より となる.ならば である.ならばであるから, である.(証明終)

はさみうちの原理

ε-N論法で証明する典型だが書いておこう. ちなみに私がε-N論法ではじめてうまく証明できたもので印象深い.定理.(はさみうちの原理) 3つの実数列,,について,すべての自然数に対してであり,かつならばである.□(証明) 任意のをとる. およびである…

ある極限値の問について

大学でよく出題される問題である.問. を示せ.□解) に対してである. これよりである. よりはさみうちの原理からが示された.(証明終)

指数・対数の法則とかけ算のこと

指数法則は次のとおりである. . 対数法則はこのとおりである. ,.対数の発見のすばらしいところは,対数表があればかけ算をたし算にできることである. 例えば,が既知であるとする. このとき次の計算が成り立つ. (上に書いてある指数法則) (既知の…

二変数関数の一変数について積分を微分する

微分積分学の基本定理は有名だ.それではこうするとどうなるだろうか. . 被積分関数も変数に依存しているとするのである. 何を隠そう,実はこうなる. .

センター試験終了

受験生の皆さまセンター試験お疲れ様でした。 既に、ゆっくり休んでいることでしょう。 これからせまりくる二次試験に向けて、英気を養ってください。

センター試験前日

明日明後日はセンター試験である。 今日見かけた高校生も社会の問題を出し合っていた。 強気で立ち向かっていって欲しい。このブログに書いてある内容はおそらく一切センター試験の数学には使えないと思う。 試験に使えるというよりもマニアックすぎる内容だ…

コーシーの積分定理

定理.(コーシーの積分定理) 単連結領域において関数は正則であるとする. このときに含まれる単純閉曲線に関するの積分は0である.すなわち, が成立する.□いかなる単純閉曲線に対しても0という驚異的な定理である.

一致の定理

関数論を初めて学ぶと,たいていは関数論の美しさ?に惑わされる.関数論における最大の定理たるコーシーの積分定理で催眠術にかかったようになり, コーシーの積分公式ではっと我にかえり,そうこうしているうちに留数定理が登場し, いつの間にかフレネル…

2つの円の位置関係

2つの円が外接すると内接する場合,どうやって作図するのだろうか.2つの円の半径が与えられている場合は比較的簡単だろうか….

三次元空間内の直線

少し前にねじれの位置について扱った. さて,三次元空間内の2直線の角度はそれぞれの直線に平行で1点で交わる直線を引き, その交点における角で定義する.

媒介変数の微分

関数がパラメータで及びとあらわされるとき, 導関数を求める,というのは数学IIIでも習う問題である.実際次のようにして求められる. . まるで分数のようにを用いればよいので,大変記憶もしやすい.それでは二階微分の場合はどうなるだろうか. まず第一…

2つの円と接線

岩手大学農学部2010年問2より.一部分を抜き出した.命題. 鋭角三角形において,点を通り点で接する円の中心を点とし, 点を通り点で接する円の中心をとする. このとき,∠2∠が成り立つ.(証明) ∠=∠∠∠であるから∠∠=∠を示す. はの二等辺三角形であるから…

幾何学的ベクトルの差

ユークリッド空間内の点に対して が成り立つ.証明は和から差に変形するのみであるが, この性質が高校数学の幾何学的ベクトルの命のひとつである.