べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「近世の数学 ─無限概念をめぐって」を買ったが…

筑摩書房 近世の数学 ─無限概念をめぐって / 原 亨吉 著難しい本だ。 文学的な書き方をしている数学の本である。 果たして読みきれるだろうか。

交代群がいつ可解群になるのか

に対して交代群が非可換であることは,どこかに書いてあるようで書いていない. 実際に に対して かつ であるからアーベル群に成りえない.(20.09.09 追記) そういうわけで非可換なわけだが,それに加えては単純群であることが示される.定義(単純群) 群…

偶関数と奇関数

が任意のに対して成立する関数を偶関数という. が任意のに対して成立する関数を奇関数という.命題. いかなる関数も偶関数と奇関数の和で書き表せる.実際に,と書き表せる. このとき第一項は偶関数,第二項は奇関数である.これはどうやって思いついたん…

法線方向のベクトルについて

ふと思ったことをかく. 直線の法線方向の幾何ベクトルの成分をよく忘れてしまうのだが, 直線のとき( 1 )のような特殊な場合は明らかにだから,これで覚えると少し楽だ.

点と直線の距離

定理.(平面上の点と直線の距離) 点 と直線 の距離は で与えられる.(証明) の場合はすぐにわかる. とする.直線の法線方向の幾何ベクトルは である.ここで点から直線に下ろした垂線の足を点とする.このとき垂線とは平行であるから実数を用いて とな…

同様に確からしい

Webで検索してもきっぱりとした言葉にいきあたらないものに「同様に確からしい」がある.この言葉は高校の確率の屋台骨だが,思いのほか軽視される.「各事象が同程度で起こることが期待されること」…と“文学的”には書かれる,とされているサイトが多いよう…

条件付き確率に悩む

あまり考えたことのない確率なのでなかなか苦しい。 しかし乗り越えるとフィルタリングの初歩が学べるようなのでもがき続けたい。昨日は妙に気の狂いそうな一日だった。 一歩間違えると自分の想像に押しつぶされてしまうような、とても奇妙な感覚に支配され…

相対位相

位相空間 および写像 が与えられたとする. が連続写像になる最も弱い位相は である.この位相をによってから誘導される位相という.位相空間の部分集合からへの標準的単射によってから誘導される位相をにおける,の相対位相という.相対位相はどのような集…

並列接続の抵抗の合成抵抗

2つの並列接続した抵抗の電気抵抗をそれぞれとするとき合成抵抗には の関係が成り立つ.証明はオームの法則 と,並列回路の各抵抗の電圧は電源の電圧に等しいことを用いる.昨日に引き続き,逆数の和が登場する等式を扱った.

写像公式

焦点の外側に物体を置くと凸レンズを通し,レンズ後方のスクリーンに物体と相似な倒立した実像が出現する. すっかり忘れていたのだが,このときレンズの焦点距離を,レンズから物体までの距離を,レンズから実像までの距離をとするとき,次の写像公式が成立…

凸関数

級関数について (1)区間内で常にが成り立つ (2)区間内のとに対して不等式 が成り立つ定理. (1)と(2)は同値である.証明が厄介だ.不等式の証明は(右辺)-(左辺)の関数を考えて,微分して増減表(ヘルダーの不等式の証明のように)が楽だがそれはちょっとつま…