べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ルベーグ積分の記事をまとめている

測度の記事の全体像が見えたのでまとめに入ったのだが…。 どんどんわかりにくくなっていくのはなぜだろうか。 そもそもhtmlのよさを何も生かせていないのは悲しい。 なんとかしないと…。

三角関数の加法定理

有名すぎる定理ゆえ証明も多数知られている. しかし,なんとなく新しい証明法がないか考えている.

仕事とエネルギー

忘れてしまっているので書いておこう.定義.(仕事) 一直線上に大きさ[N]の力をかけて,その力の向きに距離[m]だけ動かすときの仕事を [J] と定義する.□私が運動の話を考えるときにはすぐエネルギーの話ばかり考えてしまうのだが, 実際にはエネルギーよ…

区間の差

右半開区間の差は共通部分をもたない右半開区間の合併であらわせる、は絵で描くと単純明快である。 しかし、証明するには、というところで終わっていた。 今日気がついたのはに対してであるから、 と右半開区間の共通部分は,自動的に右半開区間になるという…

測度の基本性質

一般の測度空間に関する性質を調べる. 定義. 集合列に対して, , と定める.□ 数列の上極限と下極限の類推で定義する. 命題. ならば,である.□ (証明) は集合体の定義による. またとなる. この二つを組み合わせて,後者も言える.(証明終)これら…

ルベーグ測度の平行移動不変性

命題. およびに対して,が成立する.□ (証明) まず右半開区間に対して成立することは, による.つまり上のすべての元に対して成立するので, すべてのに対してが成立する. 次にに対して,となることを示す. に注意すると,任意のに対して が成り立つ.…

ボレル集合体と零集合

零集合全体の集合をと定める.次の定理が成り立つ. 定理. ルベーグ可測集合全体のσ集合体はボレル集合体およびを含む最小のσ集合体である.□

球体と長方形

ルベーグ積分論とも絡む問題を書いておこう.命題. 開球体は開長方形の可算和の形で表現できる. 逆に開長方形は開球体の可算和の形で表せる.□(証明) 前段を証明する. すべての成分が有理数である任意の点,をとる. とおくと,開長方形はに含まれる. …

ボレル集合

位相空間における可測空間の構成を考える. 定義.(ボレル集合体) 位相空間において,開集合系を含む最小の集合体をボレル集合体という.またその元をボレル集合という.□ 最小の集合体は生成することによって生み出される. すなわち,集合の部分集合から…

内測度

ルベーグ可測集合を定義した. 定義する際に使ったのはルベーグ外測度のみである. 「外」があるなら「内」もあるだろうと思うのが普通だろう. ここではルベーグ内測度を定義し,直感に合う条件がカラテオドリの条件と同値であることを示す. 定義.(ルベ…

無理数と有理数

命題. かつが成り立つ.□稠密であることについてである.(証明) であること. 無理数を十進数展開し,とする. ここで,有理数列をとおくととなる.であること. 任意の有理数に対して,と定めると, かつ となる.(証明終)

ルベーグ非可測集合の存在証明

ここからルベーグ非可測集合の証明を行う. 定理. ルベーグ非可測集合が存在する.□ (証明) をハメル基底とし,任意のを1個固定する. と定める. この集合がルベーグ非可測集合であることを示す. 背理法による.すなわちであると仮定する.第1段:が成…

ハメル基底

定義.(ハメル基底) がハメル基底であるとは,有理数体上のベクトル空間の基底のことである. つまり次の2つの条件を満たすことである. (i)任意のおよびに対して ならば が成立する.(ii)任意のに対して,およびが存在して次の等式が成立する. .□ 定義…

ルベーグ非可測集合

前回まででルベーグ測度を構成した. この測度は究極の目標として,すべての集合を可測とすることにあったのである. しかしその夢は叶わなかった. ルベーグ非可測集合が存在するのである.その存在はちょっとやそっとでは出てこない. 選択公理を認めるこ…

σ集合体が拡張された測度空間であること

定理. (i). (ii).□ つまり,測度空間はの拡張になっている.(証明) (i) 任意のおよびをとる. の被覆をとする.このとき となる.1行目から2行目へは外測度,すなわちをとっていることに注意する. 両辺に関するをとると が従う.これはカラテオ…

ルベーグ外測度をσ集合体上に制限すると測度となる

1.ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす 2.ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系は集合体となる 3.ルベーグ外測度を集合系上に制限すると測度となる今回は下線を示す. 定義.(ルベーグ測度) をルベーグ測度という.□ …

凸関数再び

次の式は凸関数を眺めていたら思いついた.予想. 関数は凸関数であるとする.このとき に対してが成立する.また逆も成立する.□凸関数のグラフ上に三点をとって線分の傾きを比較すると,成り立っている…と思われる. まあ証明できないでいるので,ひょっと…

零集合の定義と基本性質

定義.(零集合) カラテオドリの外測度でその値が0になる集合を零集合という.□ この零集合が曲者である. 定理. ルベーグ外測度の意味の零集合はルベーグ可測集合である.□ (証明) 任意の零集合がカラテオドリの条件を満たすことを示す. 零集合と任意…