難しかった。複素数の方程式の解の存在条件なんて知らなかったからだ。
かなり考えて、結局は実数の話にすりかえることで解決できることに気がついた。
5.を複素数とし,…(*)を満たす複素数を考える.
以下の問いに答えよ.
(1) はを満たすことを示せ.
(2) と仮定し,または負の実数であると仮定する.このとき,(*)を満たすがちょうど2個あるための必要十分条件をを用いて表せ.
解)(1) (*)の両辺の複素共役をとり、辺々引くと得られる.
(2) 仮定から(1)の式はとなる.
移項してが得られる.
これはが実数であることを意味する.つまり(*)は実数の方程式であることが分かる.
とおき,(*)に代入し整理すると次の式が得られる.
…(**)
左辺が実数であることから虚部が0より…(***)を得る.
(**)と(***)をの連立方程式とみて解くが,以下のように場合分けして考える.
(i)の場合
と変形できるので,と置き換えて,(**)に代入する.
これはについての2次方程式である.に注意すると,この方程式の判別式はとなるので,常に異なる2個の実数解が存在する.よって元のの実部が異なるので,(*)を満たすも2個存在する.
(ii)の場合
(***)はとなる.
のとき(**)はとなる.に注意すると,この方程式の判別式はであるから,が異なる2個の実数解を持つことになり,の虚部が異なり,(*)を満たすも2個存在する.
のとき,(**)はとなる.
どのようなに対してもとなる.
この式の右辺は常に正ゆえ,中心,半径の円の方程式を表す.
つまりは円周上の点をすべてとるので,も無数に存在する.
以上(i)(ii)からのときを除いて(*)を満たすはちょうど2個存在することになる.
の言葉で言い換えると,が求める条件である.