べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

級数の問題を解く(等比級数の具体的な計算)

前回
orz107orz.hatenablog.com
を受けて,実際の問題で公式を使ってみよう。

1)\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{8}+\cdots + (\frac{1}{2})^n + \cdots
初項が\frac{1}{2},公比が\frac{1}{2}の無限等比級数である。
公比の絶対値が1より小さいので,公式が使える。
\frac{1}{2}+\frac{1}{4}+\frac{1}{8}+\cdots + (\frac{1}{2})^n + \cdots = \frac{\frac{1}{2}}{1-\frac{1}{2}}=1

2)0.999\cdots
かの有名な問題である。この・・・が曲者だ。
この・・・は何かを省略したものではない。別の解釈をする。
その解釈とは何かというと,級数だととらえるのが普通だと筆者は考えている。
つまり,0.999 \cdots = 9 \cdot \frac{1}{10} + 9 \cdot (\frac{1}{10})^2 + 9 \cdot (\frac{1}{10})^3 + \cdotsと考える。
そういうわけで,右辺に公式を使うと\frac{\frac{9}{10}}{1-\frac{1}{10}}=1であるから,0.999 \cdots = 1である。