この項目の目標は以下の定理を証明することである.
定理1.
前回定めたは,上の測度である.□
証明をするために,次の三つの補題を証明する.
補題1.
ならばが成り立つ.□
つまり集合の大小関係は測度においてもそのまま保たれるということである.
補題2.
について
ならばが成り立つ.□
つまり劣加法性が成り立つということである.
補題3.
ならば が成立する.□
ここで, は集合の包含関係が成立し,かつ が成立することである.
つまり集合の列が小さくなっていくならば,測度も小さくなっていくということである.
さてこの準備の下で定理の証明を行う.
(定理の証明)
であることはによる.
つまりとしてならばを示せばよい.
集合の作り方からとなる.
よって補題3より
as
となる.以上より
ここでとすると
となる.よって示された.(証明終)