べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

自然数のこと

初等整数論をやらなきゃいかん,と決意して勉強し始めたところ,除法の原理の証明で行き詰った.

定理.(除法の原理)
自然数 a,b に対して
  a=bq+r
を満たす整数 q,r が存在する.ただし 0 \leq r < b である.

ネットで検索したら,この証明はペアノの公理から始めて,最小値原理を認めなければ証明できないようだ.

最小値原理
自然数の集合の部分集合には最小値が存在する.□

何より知らなかったのは最小値原理と数学的帰納法が同値であることだ.
したがっていずれか一方を認めなければならない,というわけだ.

数学的帰納法から最小値原理を証明する.
感覚的には次のようにして証明できると考えられる.
集合A \neq \emptyset自然数の集合\mathbb{N}の部分集合とする.
まず,1が集合Aに属するか否かを調べ,属していれば最小値となる.
属していない場合は2が属するか調べる.
以下繰り返し,初めて属している元が現れたときそれが最小元となる.

ここの繰り返し,の部分にあいまいさが残っている.