隣接二項間漸化式

隣接二項間漸化式は高校の数列の分野で学ぶ.
私がこの分野を勉強したときには,その独特の解法に驚き感動した.

ここでは隣接二項間漸化式の解法を記述する.
ただし,一般的な係数のものだけではなく,具体的な例題も書いていく.

1)等差数列,等比数列
a_{1}=a,a_{n+1}=a_{n}+d 等差数列
a_{1}=a,a_{n+1}=ra_{n} 等比数列
この2個の場合,一般項は容易に導出できる.

時々この形を見抜けず,次に書く特性方程式で解こうとする者がいる.
この等差数列・等比数列の場合は特性方程式では解けないので注意が必要である.

2)隣接二項間漸化式(基本形)
a_{1}=a,a_{n+1}=pa_{n}+qp \not{=} 1)の場合が隣接二項漸化式の基本形である.
特性方程式 \alpha = p \alpha + q\alpha に関する一次方程式と見て解く.
与えられた式から特性方程式を引くと,a_{n+1} - \alpha = (pa_{n}+q) - (p \alpha + q) より,
a_{n+1}-\alpha=p(a_{n}-\alpha)と変形できる.
これは等比数列である.

教科書にも載っている,あまりに有名すぎる漸化式だ.
ここに例を書く必要性があるかどうか迷うところだが,
そんなことで迷っていてはこのサイトの存在意義すらなくなってしまうので書くことにする.

例題.(隣接二項間漸化式(基本形))
a_{1}=4, a_{n+1}=3a_{n}-4で定義される数列\{ a_{n} \}_{n=1}^{\infty}の一般項を求めよ.

解)
\alpha=3 \alpha - 4を解くと,\alpha = 2となる.
これより,与えられた漸化式はa_{n+1} - 2 = 3(a_{n} -2)と変形できる.
よって,数列\{ a_{n}-2 \}_{n=1}^{\infty}は初項a_{1}-2=4-2=2で,公比3等比数列である.
ゆえにa_{n}-2=2 \cdot 3^{n-1}である.
したがって,a_{n}=2 \cdot 3^{n-1} + 2として数列\{ a_{n} \}_{n=1}^{\infty}の一般項が得られる.(終)

3)隣接二項間漸化式(q=r^{n}の場合)
a_{1}=a,a_{n+1}=pa_{n}+r^{n}p \not{=} 1,r \not{=} 0)の場合は新しい発想が必要である.
両辺をr^{n+1}で割ることで\frac{1}{r^{n+1}}a_{n+1} = \frac{p}{r}\frac{1}{r^{n}}a_{n} + \frac{1}{r}
b_{n}=\frac{1}{r^{n}}a_{n}とおくと,与えられた式はb_{n+1}=\frac{p}{r}b_{n} + \frac{1}{r}となる.
この式は1)または2)であるから解ける.

例題.(隣接二項間漸化式(q=r^{n}の場合)
a_{1}=2, a_{n+1}=4a_{n}+2^{n}で定義される数列\{ a_{n} \}_{n=1}^{\infty}の一般項を求めよ.

解)
与えられた式の両辺を2^{n+1}で割る.
\frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = 2 \cdot \frac{a_{n}}{2^{n}}+\frac{1}{2}となる.
b_{n}=\frac{a_{n}}{2^{n}}とおくと,b_{1}=\frac{a_{1}}{2}=\frac{2}{2}=1かつb_{n+1}=2b_{n}+\frac{1}{2}となる.
これは基本の隣接二項間漸化式である.つまり2)の方法で解ける.
\alpha=2 \alpha + \frac{1}{2}を解くと,\alpha = - \frac{1}{2}となる.
これより,与えられた漸化式はb_{n+1} + \frac{1}{2} = 2(b_{n} + \frac{1}{2})と変形できる.
よって,数列\{ b_{n} + \frac{1}{2} \}_{n=1}^{\infty}は初項b_{1} + \frac{1}{2}=1+\frac{1}{2}=\frac{3}{2}で,公比2等比数列である.
ゆえにb_{n}+\frac{1}{2}=\frac{3}{2} \cdot 2^{n-1}である.
したがって,b_{n}=\frac{3}{2} \cdot 2^{n-1}-\frac{1}{2}を得る.
b_{n}を元に戻すと,\frac{a_{n}}{2^{n}} = \frac{3}{2} \cdot 2^{n-1}-\frac{1}{2}となる.
以上より数列\{ a_{n} \}_{n=1}^{\infty}の一般項はa_{n}=\frac{3}{2} \cdot 2^{2n-1}-2^{n-1}である.(終)

4)対数をとる隣接二項間漸化式
a_{1}=a,a_{n+1}=(a_{n})^{s}の場合は対数をとる.ただし真数条件により数列の各項は正でなければならない.
対数をとると,\log a_{n+1} = s \log a_{n} であるから\log a_{n}をひとつの数列と思うと等比数列である.

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