上に(ルベーグ)測度を定める.
まず一般の有限加法的集合環上の有限加法的測度を定義する.
定義4.(測度)
上の有限加法的集合環をとする.
関数が次の二条件を満たすとき,を有限加法的測度という.
(i)
(ii)ならば
ここで(ii)に換えて次の(ii)'を満たすときを測度という.
(ii)'ならば□
次に上に有限加法的測度を定める.
最終的にこのを拡張してルベーグ測度とする.
第一にの有界右半開区間の測度はジョルダン測度と同様に定める.すなわちと定める.
第二にに対して定義する.
であるから,という表示が存在する.
この表示を用いてと定める.
ここで気になることは,第二の定義はの直和の表示によって定義されていることである.
つまり表示を変えればの値が変化する可能性があるということである.
そのようなことはありえない,すなわちwell-definedであることを示す.
今に二通りの表示があると仮定する.
このとき,に注意すると
となる.これは二通りの表示のそれぞれの測度による値が一致することを意味している.
すなわちwell-definedである.