どちらの不等式も強力な不等式である.
2つの不等式を鑑賞していたときだった.
ふと「イェンゼンの不等式」はいかなる凸関数を持ってきても成り立つ,
適用範囲が大きい不等式であるから,「イェンゼンの不等式」⇒「並べ替えの不等式」という証明が成り立ちそうだなと思ったのだ.
早速,凸関数としてをとり,イェンゼンの不等式に適用して…
と、ここで何か変,というかうまくいかないことに気がつく.
とを内分点を与えるものとしたのだが,
これではの大小関係に関係なく並べ替え不等式が成立する結果が出てきてしまうのだ.
明らかにおかしい.何かがおかしい….
ここで,あることに気がついた.
それはとなってしまうという致命的な欠点である.
「イェンゼンの不等式」は凸関数,つまりでなければならない.
この間違いの原因は単純で,私が凸関数を「単調増加関数」ととらえていたからだ.
ざっくりととらえすぎていた.
次から気をつけよう.