ラグランジュの恒等式

高校数学でたまーに証明込みで出題される恒等式がある。

定理.(ラグランジュ恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac+bd)^2+(ad-bc)^2

両辺ともに展開すればあっというまに証明はできる。
しかしなんでこんな等式が出てきたんだろう,と疑問に思っていた.
今日幾何ベクトルの力を使うとあっさり解決することに気がついた.

(証明)
\vec{a}=\left( \begin{array}{cc} a \\ b\\ \end{array} \right), \vec{b}=\left( \begin{array}{cc} c \\ d\\ \end{array} \right)と定める.
\vec{a},\vec{b}のなす角を\thetaとする.このとき
|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2
=|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2(\cos^2 \theta + \sin^2 \theta)
=|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2\cos^2 \theta + |\vec{a}|^2|\vec{b}|^2 \sin^2 \theta
第1項は(\vec{a} \cdot \vec{b})^2に等しく,
第2項は\vec{a}, \vec{b}の作る平行四辺形の面積の2乗に等しいが,
それは\vec{a}, \vec{b}を列に持つ行列のディターミナントの2乗に等しい.
この等式を成分計算すると上式が示される.(証明終)