べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

勾配(grad)の話

ナブラというものがある。
\nabla = \partial _1 e_1 + \partial _2 e_2 + \cdots + \partial _n e_nで定義する。
ここでe_*は各軸の正方向の単位ベクトル(=基本ベクトル)である。

つまりナブラは微分作用素であって,関数fに対して
\nabla f=\partial _1 f e_1 + \partial _2 f e_2 + \cdots + \partial _n f e_n
となり各成分の方向への偏微分をベクトルで表現している。

このナブラを使うと、関数の勾配を計算できる。

具体例を挙げておく。
例.
f(x,y)=\sqrt{9 - x^2 - y^2}, x^2 + y^2 <9とする。
このとき\nabla f(x,y,z)=(\frac{-x}{9-x^2-y^2},\frac{-y}{9-x^2-y^2})である。

正直これではなんのことやら?である。
もう少し考えてみよう。

上の例の関数はz=f(x,y)とすると3次元空間内の曲面を与える。
そこでこの曲面の各点(a,b,f(a,b))接平面を求める。
接平面
 z = f(a,b) + \partial_x f(a,b) (x-a) + \partial_y f(a,b) (y-b)
で与えられる。

(20.6.17)
タイトルと内容を書き換えた。