いくつかの級数の問題は取り扱ってきたものの,初歩の問題はなぜかやらずにきた。面倒だったのかもしれない。
今回はそのような問題たちを扱う。
ところで級数とは何か,という話を初めにしなければならないだろう。
級数(無限級数)とは,無限項の数列の和のことである。
すなわち,数列に対してのことである。
ここではたと困ることがある。
人間は無限項の足し算などできるはずがないということである。当たり前のことだが大問題といえるだろう。
どうやって無限の足し算をすればいいのだろうか。
解決する手段はこうである。
まずととりあえず第項までの和をつくる。
次にこののを限りなく大きくする。つまりとするのである。
このときが存在する場合に限り,その極限を無限項の和と解釈するのである。
無限に足さずに極限の解釈をすることで,議論をすりかえている。うまい方法だ。
逆にいえばこの手順で無限項の和を求めればよい,ということになる。
色々なパターンの問題を取り扱っていく。