べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

1/6公式からの発展

1/6公式 \int_a^b (x-a)(x-b) dx=-\frac{1}{6} (b-a)^3はよく知られている.

少し変えて,\int_a^b (x-a)^m(x-b)^n dxはどうだろうか.
これはこのようになる.
\displaystyle \int_a^b (x-a)^m(x-b)^n dx=\frac{1}{(m+n+1) {}_{m+n}{\rm C}_{m}} (b-a)^{m+1} (a-b)^n

右辺のb-aはまとめられることが多いのだが,こうしておくと符号がどうなるかわかる.
つまり被積分関数x=a,bを代入した際の符号に依存するということであって,
この書き方であれば直接的に出てくる.
また係数部分もよく階乗で書かれているが,こうして組み合わせの記号で書いておくと覚えやすいのではなかろうか.
具体例を挙げておこう.

例.
\int_a^b(x-a)(x-b)^2dxを求めよ.

解.
係数を計算する.
(x-a)(x-b)^2の次数を見ると3次なので(3+1) \cdot {}_3 {\rm C}_1=4 \cdot 3=12である.
これより
\int_a^b(x-a)(x-b)^2dx=\frac{1}{12}(b-a)^{1+1}(a-b)^2=\frac{1}{12}(b-a)^4
である.