コーシーの積分定理の気持ちを自分なりにかいてみる

orz107orz.hatenablog.com
コーシーの積分定理の主張はここでかいた。
驚異的な定理と書いたが、この定理の気持ちを自分なりに書いてみる。

高校のころに学ぶ、実軸上の1変数関数の積分を思い出そう。
簡単のため閉区間I= [ a, b ] 上でf >0である関数の積分\int_a^b f(x) dxを考える。
これは関数f、2直線x=a, x=b、実軸の4曲線で囲まれた部分の面積であって、
様々な要素がからんでいて面積など求められないと思うはず。
しかしF'=fである関数が存在すれば、面積は\int_a^b f(x) dx=F(b) - F(a)で求められる。
驚きはxは両端の値だけがこの量に関与しているわけで、途中の値は見なくてよいことである。

複素関数に戻る。
複素積分\int_C f(z)dzは次のような線積分で定義される。
C積分路で複素平面上の有限で滑らかな路であるとする。
Cの両端は複素数である。例えば\alpha, \betaがその両端とする。
媒介変数表示して C : z=z(t), a \leq t \leq bとし\int_C f(z)dz=\int_a^b f(z(t))z'(t)dtと定義する。
さらりと媒介変数z=z(t)を持ち出したが、右辺がz=z(t)のとり方に依存している。実際、その取り方を変えると積分の値がまるで変わってしまうものもある。
しかし上でやったように1変数の積分を思い出せば、どのようにz=z(t)をとっても積分の値が変わって欲しくない。
ここでもし、「F'=fとなる関数」があれば「合成関数の積分」であるわけだから、形式的には\int_a^b f(z(t))z'(t)dt=[ F(z(t))  ]_a^b=F(z(b))-F(z(a))=F(\beta)-F(\alpha)となり、うまくいきそうである。

このF''はなんだろうか。
実軸上の1変数関数ではないので、上記微分とはわけが違う。

これは複素微分の意味での微分であって、それこそ正則ということである。
つまり正則であれば、両端の値のみで積分の値が決まると考えられる。
そのとき閉曲線は、両端が一致しているわけであるから積分値は0と想像できるわけだ。

ちなみにこの想像は正しく、fが正則であればどのように媒介変数をとっても積分値は一定である。
それを保証する定理こそがコーシーの積分定理である。