三角関数の定義を級数で行った場合の加法定理の証明

三角関数の定義は幾通りか存在する.
ここでは級数で定義し,加法定理を証明する.

定義.(三角関数
\displaystyle \sin x = \sum_{k=1}^{\infty} \frac{(-1)^{k+1}}{(2k-1)!}x^{2k-1}
および
\displaystyle \cos x = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(-1)^{k+1}}{(2k)!}x^{2k}
と定義する.□

定理.(三角関数の加法定理)
等式\sin (x+y) = \sin x \cos y + \cos x \sin yが成立する.□

(証明)
\displaystyle \sin (x+y)=\sum_{k=1}^{\infty} \frac{(-1)^{k+1}}{(2k-1)!}(x+y)^{2k-1}

      \displaystyle \, =\sum_{k=1}^{\infty} \frac{(-1)^{k+1}}{(2k-1)!} \sum_{j=0}^{2k-1} \left( \begin{array}{c} 2k-1 \\ j \\ \end{array} \right) x^{2k-1-j} y^{j} (二項定理)

      \displaystyle \, =\sum_{k=1}^{\infty} \frac{(-1)^{k+1}}{(2k-1)!} \sum_{j=0}^{2k-1} \frac{(2k-1)!}{j! (2k-1-j)!}x^{2k-1-j} y^{j} (組み合わせの定義)

      \displaystyle \, =\sum_{k=1}^{\infty}  \sum_{j=0}^{2k-1} \frac{(-1)^{k+1}}{j! (2k-1-j)!}x^{2k-1-j} y^{j}

      \displaystyle \, =\sum_{j=0}^{\infty} \frac{(-1)^{j}}{(2j)!} y^{2j} \sum_{k=j+1}^{\infty} \frac{(-1)^{k-j+1}}{(2(k-j)-1)!}x^{2(k-j)-1}
        \displaystyle +\sum_{j=1}^{\infty} \frac{(-1)^{j+1}}{(2j-1)!} y^{2j-1} \sum_{k=j}^{\infty} \frac{(-1)^{k-j}}{(2(k-j))!}x^{2(k-j)}   (☆)

      =\sin x \cos y + \cos x \sin y.(証明終)

途中の変形(☆)は技巧的である.そこで補足を加える.
(☆)は2つの変形を同時に行っている.
1)和の足し合わせの順番を変えている
2)1)に伴って,ダミーの変数を取り替えている.