べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

媒介変数の微分

関数がパラメータtx=f(t)及びy=g(t)とあらわされるとき,
導関数\frac{dy}{dx}を求める,というのは数学IIIでも習う問題である.

実際次のようにして求められる.
  \frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{g'(t)}{f'(t)}
まるで分数のようにdtを用いればよいので,大変記憶もしやすい.

それでは二階微分\frac{d^{2}y}{dx^{2}}の場合はどうなるだろうか.
まず第一に言いたいのは,次の式は間違いである,ということである.
 × \frac{d^{2}y}{dx^{2}}=\frac{\frac{d^{2}y}{dt^{2}}}{\frac{d^{2}x}{dt^{2}}}

それでは何が正しいのか.このように解釈しなければならない.
  \frac{d^{2}y}{dx^{2}}=\frac{d}{dx}( \frac{dy}{dx})     (二階微分の定義)
     =\frac{d}{dt}(\frac{dy}{dx})/\frac{dx}{dt}   (ここでパラメータの微分
     =\frac{d}{dt}(\frac{dy}{dt}/\frac{dx}{dt})/\frac{dx}{dt}
     =\frac{d}{dt}(\frac{g'(t)}{f'(t)}) \frac{1}{f'(x)}
     =\frac{g''(t)f'(t)-g'(t)f''(t)}{(f'(t))^{2}} \frac{1}{f'(x)}
     =\frac{g''(t)f'(t)-g'(t)f''(t)}{(f'(t))^{3}}