連続関数と可測関数の合成がまた可測関数になることを示す.
定理.
関数 を連続とする.
または有限な値を持つ実数値可測関数とする.
このとき,も可測関数である.
可測であること
(証明)
の開基として,開区間をとることができる.
は連続であるからという開区間に対して,は開集合である.
よって,は直積空間として,の区間の直積の合併で表せる.つまり
となる.これから
.
等式の最後は可測集合なので示された.(証明終)
この定理の威力は素晴らしく,次の系はほとんど明らかとなる.
系.
(i) 可測関数全体の集合は上のベクトル空間である.
(ii) が可測関数ならば積,商( a.e.)は可測関数である.
(iii) が可測関数ならば絶対値の乗は可測関数である.
(iv) が実数値可測関数ならば正の部分は可測関数である.