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「ほとんどすべて」a.e.

数学 ルベーグ積分

定義.(ほとんどすべて a.e.)
x \in Aに対する命題P(x)が,ある零集合Nの点を除いては成立するとき
命題P(x)ほとんどすべて(almost everywhere)xに対して成り立つ,といい
 P(x) a.e. x \in A
と表す.□

注意
考える集合が明らかな場合,x \in Aは省略可能である.□

稠密でかつ零集合であるものも存在していることは前に述べたとおりである.(例えば,有理数全体の集合\mathbb{Q}\overline{\mathbb{Q}}=\mathbb{R}かつm(\mathbb{Q})=0
これぐらい「ぎっちり」と集合に詰まっている点で成り立たなくても,a.e.という言葉を付け加えて成立するとみなそうというわけである.
まさに零集合の魔術というほかない.

簡単だが重要な補題を示す.

補題
fは可測関数とする.f=g a.e. ならば gも可測関数である.□

(証明)
f=g a.e. よりある零集合Nが存在して,f=g in  \mathbb{R}^{d} \setminus Nとなる.
任意のa \in \mathbb{R}と任意のA \in {\cal P}(\mathbb{R}^{d})に対して
m^{*}(A \cap \{ x \in \mathbb{R}^{d} \mid g(x) > a  \})+m^{*}(A \setminus \{ x \in \mathbb{R}^{d} \mid g(x) > a  \})
=m^{*}(A \cap \{ x \in \mathbb{R}^{d} \setminus N \mid g(x) > a  \})+m^{*}(A \setminus \{ x \in \mathbb{R}^{d} \setminus N \mid g(x) > a  \})
=m^{*}(A \cap \{ x \in \mathbb{R}^{d} \setminus N \mid f(x) > a  \})+m^{*}(A \setminus \{ x \in \mathbb{R}^{d} \setminus N \mid f(x) > a  \})
=m^{*}(A \cap \{ x \in \mathbb{R}^{d} \mid f(x) > a  \})+m^{*}(A \setminus \{ x \in \mathbb{R}^{d} \mid f(x) > a  \})
=m^{*}(A)
最後の等号は f が可測関数であることを用いた.(証明終)

途中零集合Nを差し引きしている.
これはA = (A \setminus N) \sqcup Nからm^{*}(A)=m^{*}(A \setminus N) + m^{*}(N) = m^{*}(A \setminus N)による.