物理で同じ名前の原理があるが,これはそれではない.
次の原理である.
命題.(アルキメデスの原理)
任意のに対して,あるが存在してが成り立つ.□
がどんなに「小さ」く, がどんなに「大きい」数でも,
2倍,3倍…とするといつかはその「大きい」数を追い抜く瞬間が訪れるということである.
ちりも積もれば山となる.
さて,この原理を用いると次の当たり前に思えるものも証明できる.
命題.(自然数の集合の非有界性)
自然数の集合は上に有界ではない.□
(証明)
任意のに対し,命題のをにとればよい.(証明終)
また極限計算の基本中の基本であるも示すことができる.
(証明)
任意のをとる.
このとき,アルキメデスの原理から,あるが存在してが成り立つ.
つまりがわかる.
すべてのに対してとなる.
-論法によって示された.(証明終)