べっこう色の記録

かつては日記でしたが、現在は数学のことを多く書いています

ケーリー・ハミルトンの定理

行列を学ぶと,必ずついてまわってくる素晴らしい定理.
それがケーリー・ハミルトンの定理である.

n=2の場合は高校の教科書にも載っていた.
一般の場合も含め,定理にまとめると以下のようである.

定理.(ケーリー・ハミルトンの定理)
n次正方行列Aの特性多項式f_{A}(x):= \det (xE - A)と定義する.
このとき,f_{A}(A)=Oが成立する.□

注意
この定理においておきまりとなっている注意を述べる.
証明の際,特性多項式の定義式の右辺にAを代入して,\det(AE -A)=0より証明終,とやってはいけない.
なぜなら,\det(AE -A)=0スカラーの0であるからだ.
定理中に述べられているのは,零行列である.□