定義.(可測関数)
関数が可測関数であることを次の式が成り立つことで定義する.
任意のに対して,が成り立つ.
具体例を挙げる.
例.
連続関数は可測関数である.
実際,任意のに対して,となる.□
定義では単なる不等号だが,実際にはそうでなくてよい.
補題.
関数に対して以下の条件は同値である.
1)は可測関数である.
2)任意のに対して,が成り立つ.
3)任意のに対して,が成り立つ.
4)任意のに対して,が成り立つ.
証明は「開集合の無限個の共通部分は開集合とは限らない」の話に似ている.
(証明)
1) ⇒ 2)
任意のをとる.
関数は可測なのですべての自然数に対しては可測集合である.
可測集合の可算個の共通部分は可測集合であるから,
となり示される.
2) ⇒ 3)
可測集合の補集合は可測集合であるから
.
3) ⇒ 4)
1) ⇒ 2)の証明と同様にして示せる.
4) ⇒ 1)
2) ⇒ 3)の証明と同様にして示せる. (証明終)