ここからルベーグ非可測集合の証明を行う.
定理.
ルベーグ非可測集合が存在する.□
(証明)
をハメル基底とし,任意のを1個固定する.
と定める.
この集合がルベーグ非可測集合であることを示す.
背理法による.すなわちであると仮定する.
第1段:が成立する.
各に対して,と定める.
は可測集合であるから,が成り立つ.
ここでがハメル基底であることから,より
.
つまり,ならば無限大にはなりえないので,がわかる.
第2段:ある相異なるが存在してが成り立つ.
第1段よりなので,ある右半開区間が存在してとなる.
背理法を用いる,つまりすべての有理数に対しての共通部分が空集合であると仮定する.
ルベーグ測度の完全加法性から次の計算が成り立つ.
.
一方,であるから,より矛盾する.
以上でとなる実数の存在がわかった.
これよりが存在して,となるが,これはとなる.これは矛盾である.
以上よりはルベーグ非可測集合であることが示された.(証明終)