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ハメル基底

数学 ルベーグ積分

定義.(ハメル基底)
B \subset \mathbb{R}がハメル基底であるとは,有理数\mathbb{Q}上のベクトル空間\mathbb{R}の基底のことである.
つまり次の2つの条件を満たすことである.
(i)任意のb_{1},\ldots,b_{n} \in Bおよびr_{1}, \ldots ,r_{n} \in \mathbb{Q}に対して
  {\normalsize \sum_{j=1}^{n}} r_{j} b_{j} = 0ならばr_{1} = \cdots = r_{n}=0
が成立する.

(ii)任意のx \in \mathbb{R}に対して,b_{1},\ldots,b_{n} \in Bおよびr_{1}, \ldots ,r_{n} \in \mathbb{Q}が存在して次の等式が成立する.
  x={\normalsize \sum_{j=1}^{n}} r_{j} b_{j}.□

定義するのは一向にかまわないが,実際にハメル基底は存在するのだろうか.
それは「任意のベクトル空間には基底が存在する」ことと深いつながりがある.
すなわち選択公理が関わるのである.

定理
ハメル基底は存在する.□

(証明)
\cal{I}:=\{ \mathbb{R}\mathbb{Q}上の一次独立な組全体\}と定める.
\cal{I}が集合の包含関係を大小関係とする帰納的な順序集合であることを示す.
任意の全順序部分集合\{ I_{\lambda} \}_{\lambda \in \Lambda} \subset \cal{I}をとる.
このとき\cup_{\lambda \in \Lambda} I_{\lambda} \in \cal{I}であり,\{ I_{\lambda} \}_{\lambda \in \Lambda}の上界である.
よってツォルンの補題より\cal{I}には極大元B \in \cal{I}が存在する.
B\mathbb{R}を生成する.なぜなら,あるx \in \mathbb{R},\, x \notin Bが存在すると仮定すると,
B \subset B \cup \{x \}であるからBの極大性に矛盾するからである.
したがって,Bがハメル基底である.(証明終)

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