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ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす

数学 ルベーグ積分

定義8.(ルベーグ外測度m^{*}
m^{*}(A)=\inf \{ \sum_{j=1}^{\infty} m(E_{j}) \mid E_{j} \in \mathcal{R}(R^{d}), A \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j} \} for all A \in 2^{\mathbb{R}^{d}}
と定める.このm^{*}ルベーグ外測度という.□

今からの流れは以下のようである.
1.ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす
2.ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系\mathcal{M}(\mathbb{R}^{d})\sigma集合体となる
3.ルベーグ外測度を集合系\mathcal{M}(\mathbb{R}^{d})上に制限すると測度となる

後の話になるが,一般の集合の測度や積分も全く同様に構成される.
すなわちこれからの議論はすべて一般の集合やカラテオドリの外測度に置き換えても成立する.

定理2
ルベーグ外測度m^{*}2^{\mathbb{R}^{d}}上のカラテオドリの外測度である.□

(証明)
カラテオドリの外測度 - アクセス不能の原因。
上記三条件を満たすことを示す.
(i)
m^{*}(A) \in [0,\infty]は明らかである.
また\emptyset \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})かつm(\emptyset)=0より,m^{*}(\emptyset)=0である.
(ii)
A,B \subset \mathbb{R}^{d}, A \subset Bとする.
集合系\{ E_{j} \}_{j=1}^{\infty} \subset \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})B \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j}となるならばA \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j}となる.
つまり\{ \{ E_{j} \}_{j=1}^{\infty} \subset \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}) \mid B \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j} \} \subset \{ \{ E_{j} \}_{j=1}^{\infty} \subset \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}) \mid A \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j} \}となる.
これより
\{  \sum_{j=1}^{\infty} m(E_{j}) \mid \{ E_{j} \}_{j=1}^{\infty} \subset \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}) , B \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j} \}
   \subset \{ \sum_{j=1}^{\infty} m(E_{j}) \mid \{ E_{j} \}_{j=1}^{\infty} \subset \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}) ,A \subset \cup_{j=1}^{\infty} E_{j} \}
であるから両辺のinfをとると,m^{*}(A) \leq m^{*}(B)が示される.
(iii)
A_{j} \in 2^{\mathbb{R}^{d}}, j \in \mathbb{N}をとる.\sum_{j=1}^{\infty}m^{*}(A_{j})= \inftyならば明らかである.
\sum_{j=1}^{\infty}m^{*}(A_{j})< \inftyと仮定する.任意の\varepsilon > 0をとる.
A_{j}に対して,m^{*}の定義(infの定義)により,
あるE_{j,k} \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}), k \in \mathbb{N}m^{*}(A_{j}) + \frac{\varepsilon}{2^{j}} > \sum_{k=1}^{\infty} m(E_{j,k})かつA_{j} \subset \cup_{k=1}^{\infty} E_{j,k}となるものが存在する.
集合の包含関係より\cup_{j=1}^{\infty} A_{j} \subset \cup_{j=1}^{\infty}(\cup_{k=1}^{\infty} E_{j,k})となる.
これより
   m^{*}(\cup_{j=1}^{\infty} A_{j})
 \leq m(\cup_{j=1}^{\infty}(\cup_{k=1}^{\infty} E_{j,k}))
 = \sum_{j=1}^{\infty} \Big( \sum_{k=1}^{\infty} m(E_{j,k}) \Big)  (m\mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})上の測度であるから)
 < \sum_{j=1}^{\infty} (m^{*}(A_{j}) + \frac{\varepsilon}{2^{j}})
 =\sum_{j=1}^{\infty} m^{*}(A_{j}) + \varepsilon
\varepsilon >0は任意だったので
  m^{*}(\cup_{j=1}^{\infty} A_{j}) \leq \sum_{j=1}^{\infty} m^{*}(A_{j})
が示された. (証明終)