測度であることの証明

この項目の目標は以下の定理を証明することである.

定理1
前回定めたmは,\mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})上の測度である.□

証明をするために,次の三つの補題を証明する.

補題1
E,F \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d}),E \subset Fならばm(E) \leq m(F)が成り立つ.□

つまり集合の大小関係は測度においてもそのまま保たれるということである.

補題2
E,E_{j} \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})\, (j=1,2,\ldots,k)について
\displaystyle E \subset \bigcup_{j=1}^{k}E_{k} ならば\displaystyle m(E) \leq \sum_{j=1}^{k}m(E_{j})が成り立つ.□

つまり劣加法性が成り立つということである.

補題3
E_{j} \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})\, (j=1,2,\ldots),\, E_{1} \supset E_{2} \supset \cdots \to \emptyset ならば \displaystyle \lim_{j \to \infty}\, m(E_{j})=0が成立する.□

ここで, E_{1} \supset E_{2} \supset \cdots \to \emptyset は集合の包含関係が成立し,かつ\displaystyle \bigcap_{j \in \mathbb{N}} E_{j}=\emptyset が成立することである.
つまり集合の列が小さくなっていくならば,測度も小さくなっていくということである.

さてこの準備の下で定理の証明を行う.
(定理の証明)
m(\emptyset)=0であることは|\emptyset|=0による.
つまりE_{j} \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})として\displaystyle E=\bigsqcup_{j=1}^{\infty}E_{j} \in \mathcal{R}(\mathbb{R}^{d})ならば\displaystyle m \Big( \bigsqcup_{j=1}^{\infty}E_{j} \Big)=\sum_{j=1}^{\infty}m(E_{j})を示せばよい.
集合Eの作り方からE \supset E \setminus E_{1} \supset E \setminus (E_{1} \sqcup E_{2}) \supset \cdots \to \emptysetとなる.
よって補題3より
  \displaystyle m \Big( E \setminus \bigsqcup_{j=1}^{k} E_{j} \Big) \to 0 as k \to \infty
となる.以上より
m(E)
\displaystyle =m \Big( \bigsqcup_{j=1}^{k} E_{j}  \Big) + m \Big( E \setminus \bigsqcup_{j=1}^{k} E_{j} \Big)
\displaystyle = \sum_{j=1}^{k}m(E_{j}) + m \Big( E \setminus \bigsqcup_{j=1}^{k} E_{j} \Big)
ここで k \to \inftyとすると
\displaystyle = \sum_{j=1}^{\infty}m(E_{j})
となる.よって示された.(証明終)

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