ジョルダン可測

すべての話の始まりは,様々な図形の面積・体積を測るにはどうすればいいかということだ.
素朴に考えると,長方形の面積・体積を定義し,
他の図形は長方形の近似で考えるのがいいと思われる.
実際アルキメデス以来その方法で考えられてきたし,以降で述べる測度もその方針からはぶれない.
ただしルベーグ測度は近似の精度がかなりよく,病的な図形まで面積・体積を測れるようになった.

以下では\mathbb{R}^{d}有界右半開区間をI=[a_{1},b_{1}) \times \cdots \times [a_{d},b_{d})とする.

定義
I測度 |I| を次のように定義する.
  \displaystyle |I|:=\prod_{j=1}^{d}(b_{j}-a_{j}).

注意
\emptyset=[0,0) \times \cdots \times [0,0)と解釈することで|\emptyset|=0となる.□

有界右半開区間を有界集合の近似に用いて,ジョルダン外容量と内容量を定義する.

定義.(ジョルダン外容量・内容量)
A\mathbb{R}^{d}有界集合とする.
  \displaystyle m^{*}_{J}(A):=\inf \Biggl\{ \sum_{j=1}^{n}|I_{j}|\, \mid \, A \subset \bigsqcup_{j=1}^{n}I_{j}\Biggr\}
ジョルダン外容量といい,
  \displaystyle m_{*J}(A):=\sup \Biggl\{ \sum_{j=1}^{n}|I_{j}|\, \mid \, A \supset \bigsqcup_{j=1}^{n}I_{j}\Biggr\}
ジョルダン内容量という.
Aジョルダン外容量と内容量が一致するとき,有界集合Aジョルダン可測であるという.
ジョルダン可測であるとき,その共通の値をm_{J}(A)と表す.□

有界集合の外側と内側から長方形で近似していくのは分かりやすい.
分かりやすいが,ルベーグ測度に比べると圧倒的に適用範囲が狭い.