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有名な極限(チェザロ平均)

数学 解析学

この極限の問は,\epsilon-N論法を学ぶ際には避けて通れない.

問1
\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n} = \alpha ならば,\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{1} + a_{2} + \cdots + a_{n}}{n}=\alpha

収束する数列の平均値も同一の極限値に収束するという,有名な事実であり,かつこの事実は\epsilon-N論法を使わなければ証明できないので解析学の入門書には必ず登場する.(例えば,高木貞治『解析概論』 4.数列の極限 例4)
これに加えて,次も成立する.

問2
\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n} = \infty ならば,\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{1} + a_{2} + \cdots + a_{n}}{n}=\infty

(証明)
任意のK>0をとる.
\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n} = \inftyであるから,
ある n_{1} \in \mathbb{N} a_{n} >2K for n \geq n_{1} となるものが存在する. (1)
さらにある n_{2} \in \mathbb{N}n_{2}\geq n_{1},\, a_{1}+\cdots+a_{n_{2}}>0 ,\, \frac{n_{2}}{n}<\frac{1}{2} for n \geq n_{2} (2)
となるものが存在する. 任意のn \geq n_{2}に対して,
 \frac{a_{1}+\cdots+a_{n}}{n}=\frac{a_{1}+\cdots+a_{n_{2}}}{n}+\frac{a_{n_{2}+1}+\cdots+a_{n}}{n} (番号n_{2}の前後で分割した)
          \geq 0 + \frac{a_{n_{2}+1}+\cdots+a_{n}}{n}       ((2)を使った)
          \geq \frac{2K+\cdots+2K}{n} ((1)を使った)
          \geq \frac{2K \times (n-n_{2})}{n}
          \geq 2K \times (1-\frac{n_{2}}{n})
          \geq 2K \times \frac{1}{2}        ((2)を使った)
          = K

これは \displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{a_{1} + a_{2} + \cdots + a_{n}}{n}=\infty を意味する.(証明終)

(2015.3.7追記)
証明が見にくいものだったので一部を書き換えた.