解くことができる常微分方程式をいくつか紹介する.
まずは,変数分離形の場合である.
の形の常微分方程式を変数分離形という.
の範囲でを割ると
(ただしは積分定数)
が得られる.すなわち,(のみの式)(のみの式)が成り立つ.
すなわち,解を得たということになる.
ここで積分定数は初期値が定まれば,一意的に定まる.
例.
1.
両辺をの範囲で割って,
となる.積分変数をに変え,からまで積分すると,
により,
が得られる.
2.
両辺をの範囲で割って,
1と同様にして,
これより
が得られる.
注意.
例1と2は線形常微分方程式と非線形常微分方程式の違いを示している.
線形の場合(例1)はが如何なる場合にもは有限の値である.
非線形の場合(例2)はの場合にしか定義されず,
とすると,となる.これを解の爆発と呼ぶ.