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ルベーグ積分

連続関数と可測関数

連続関数と可測関数の合成がまた可測関数になることを示す. 定理. 関数 を連続とする. または有限な値を持つ実数値可測関数とする. このとき,も可測関数である. 可測であること(証明) の開基として,開区間をとることができる. は連続であるからと…

「ほとんどすべて」a.e.

定義.(ほとんどすべて a.e.) に対する命題が,ある零集合の点を除いては成立するとき 命題はほとんどすべて(almost everywhere)のに対して成り立つ,といい a.e. と表す.□ 注意. 考える集合が明らかな場合,は省略可能である.□稠密でかつ零集合であ…

可測関数

定義.(可測関数) 関数が可測関数であることを次の式が成り立つことで定義する. 任意のに対して,が成り立つ. 具体例を挙げる.例. 連続関数は可測関数である. 実際,任意のに対して,となる.□定義では単なる不等号だが,実際にはそうでなくてよい. …

測度の基本性質

一般の測度空間に関する性質を調べる. 定義. 集合列に対して, , と定める.□ 数列の上極限と下極限の類推で定義する. 命題. ならば,である.□ (証明) は集合体の定義による. またとなる. この二つを組み合わせて,後者も言える.(証明終)これら…

ルベーグ測度の平行移動不変性

命題. およびに対して,が成立する.□ (証明) まず右半開区間に対して成立することは, による.つまり上のすべての元に対して成立するので, すべてのに対してが成立する. 次にに対して,となることを示す. に注意すると,任意のに対して が成り立つ.…

ボレル集合体と零集合

零集合全体の集合をと定める.次の定理が成り立つ. 定理. ルベーグ可測集合全体のσ集合体はボレル集合体およびを含む最小のσ集合体である.□

ボレル集合

位相空間における可測空間の構成を考える. 定義.(ボレル集合体) 位相空間において,開集合系を含む最小の集合体をボレル集合体という.またその元をボレル集合という.□ 最小の集合体は生成することによって生み出される. すなわち,集合の部分集合から…

内測度

ルベーグ可測集合を定義した. 定義する際に使ったのはルベーグ外測度のみである. 「外」があるなら「内」もあるだろうと思うのが普通だろう. ここではルベーグ内測度を定義し,直感に合う条件がカラテオドリの条件と同値であることを示す. 定義.(ルベ…

ルベーグ非可測集合の存在証明

ここからルベーグ非可測集合の証明を行う. 定理. ルベーグ非可測集合が存在する.□ (証明) をハメル基底とし,任意のを1個固定する. と定める. この集合がルベーグ非可測集合であることを示す. 背理法による.すなわちであると仮定する.第1段:が成…

ハメル基底

定義.(ハメル基底) がハメル基底であるとは,有理数体上のベクトル空間の基底のことである. つまり次の2つの条件を満たすことである. (i)任意のおよびに対して ならば が成立する.(ii)任意のに対して,およびが存在して次の等式が成立する. .□ 定義…

ルベーグ非可測集合

前回まででルベーグ測度を構成した. この測度は究極の目標として,すべての集合を可測とすることにあったのである. しかしその夢は叶わなかった. ルベーグ非可測集合が存在するのである.その存在はちょっとやそっとでは出てこない. 選択公理を認めるこ…

σ集合体が拡張された測度空間であること

定理. (i). (ii).□ つまり,測度空間はの拡張になっている.(証明) (i) 任意のおよびをとる. の被覆をとする.このとき となる.1行目から2行目へは外測度,すなわちをとっていることに注意する. 両辺に関するをとると が従う.これはカラテオ…

ルベーグ外測度をσ集合体上に制限すると測度となる

1.ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす 2.ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系は集合体となる 3.ルベーグ外測度を集合系上に制限すると測度となる今回は下線を示す. 定義.(ルベーグ測度) をルベーグ測度という.□ …

零集合の定義と基本性質

定義.(零集合) カラテオドリの外測度でその値が0になる集合を零集合という.□ この零集合が曲者である. 定理. ルベーグ外測度の意味の零集合はルベーグ可測集合である.□ (証明) 任意の零集合がカラテオドリの条件を満たすことを示す. 零集合と任意…

補題の証明

補題. かつならば任意のに対してが成り立つ.□ (証明) 数学的帰納法を用いる.はカラテオドリの条件の式そのものである. で成立すると仮定する.すなわち が成り立つとする.ここでからカラテオドリの条件を用いると次の式が成立する. . ここで,各ど…

補題(σ集合体)の証明

補題. 1). 2). 3).□ 1). は零集合なのでルベーグ可測集合である.2). 任意のに対して, かつ が成り立つので示される.3). 任意のに対して, (を任意の集合とみてのカラテオドリの条件を用いた) (のカラテオドリの条件を用いた) . (のカラテオ…

ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系はσ集合体となる

1.ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす 2.ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系は集合体となる 3.ルベーグ外測度を集合系上に制限すると測度となる今回は下線を示す. 定義.() の集合でカラテオドリの条件を満たす集…

ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす

定義8.(ルベーグ外測度) for all と定める.このをルベーグ外測度という.□ 今からの流れは以下のようである. 1.ルベーグ外測度はカラテオドリの外測度の条件を満たす 2.ルベーグ外測度でカラテオドリの条件を満たす集合系は集合体となる 3.ルベー…

σ集合体

定義7.(集合環,集合体) 集合. とする. が次の二条件を満たすとき集合環という. (i) ならば (ii) ならば 二条件に加え次の条件を満たすときを集合体という. (iii) □

カラテオドリの外測度

定義5.(カラテオドリの外測度) 集合に対して,上の関数が次の三つの条件を満たすとき, をカラテオドリの外測度という. (i) かつ for (ii) ならば (iii) for □ 「集合の外側から測度を調べる」ための道具にはこの性質たちが要となっているのである…

測度であることの証明

この項目の目標は以下の定理を証明することである. 定理1. 前回定めたは,上の測度である.□ 証明をするために,次の三つの補題を証明する. 補題1. ならばが成り立つ.□ つまり集合の大小関係は測度においてもそのまま保たれるということである.(証明…

有限加法的集合環上の有限加法的測度

上に(ルベーグ)測度を定める. まず一般の有限加法的集合環上の有限加法的測度を定義する. 定義4.(測度) 上の有限加法的集合環をとする. 関数が次の二条件を満たすとき,を有限加法的測度という. (i) (ii)ならば ここで(ii)に換えて次の(ii)'を満た…

有限加法的集合体

定義3.(有限加法的集合環・体) を一般の集合とする. が次の条件を満たすとき有限加法的集合環という. (i) (ii) さらに (iii) を満たすときを有限加法的集合体という.□ が有限加法的集合体ならば次の2つの性質を持つ. (イ) (ロ) 集合論で既知の性…

ジョルダン可測からルベーグ可測へ

ジョルダン外容量,内容量はすごく直感にあった定義である. しかし次のような図形に対しては,長さを測れないのである.例1. と定める.このとき を定めることはできない.よって集合はジョルダン非可測集合である.こうしてジョルダン非可測な集合が存在…

ジョルダン可測

すべての話の始まりは,様々な図形の面積・体積を測るにはどうすればいいかということだ. 素朴に考えると,長方形の面積・体積を定義し, 他の図形は長方形の近似で考えるのがいいと思われる. 実際アルキメデス以来その方法で考えられてきたし,以降で述べ…