連続写像の定義は一見よく分からない.
位相空間,における写像が連続であるとは,
任意のに対してが成り立つことをいう.
具体的な例で抽象論を取り扱ってみよう.
関数 が連続であるとする.
このときという開区間に対して逆像を考える.
定義.(半連続)
を上の関数とし,値域はの部分集合であるとする.
任意の に対して,が成り立つとき,は下半連続関数である,という.また上記の集合の不等号をに変えたものが成り立つとき,上半連続関数であるという.
下半連続関数は下からのどのような評価にも開集合になるという条件である.
ちなみに関数のグラフでいうと,不連続点における値がグラフの下側の値につながっているものである.
具体例を挙げるならば,次のようなものである.
例.(下半連続関数)
関数を次のように定義すると下半連続関数である.
の場合で,の場合.
この半連続の定義は可測関数の定義によく似ている.
実際に,半連続関数は可測関数である.
それは開集合が可測集合であるから明らかである.
物理で同じ名前の原理があるが,これはそれではない.
次の原理である.
命題.(アルキメデスの原理)
任意のに対して,あるが存在してが成り立つ.□
がどんなに「小さ」く, がどんなに「大きい」数でも,
2倍,3倍…とするといつかはその「大きい」数を追い抜く瞬間が訪れるということである.
ちりも積もれば山となる.
さて,この原理を用いると次の当たり前に思えるものも証明できる.
命題.(自然数の集合の非有界性)
自然数の集合は上に有界ではない.□
(証明)
任意のに対し,命題のをにとればよい.(証明終)
また極限計算の基本中の基本であるも示すことができる.
(証明)
任意のをとる.
このとき,アルキメデスの原理から,あるが存在してが成り立つ.
つまりがわかる.
すべてのに対してとなる.
-論法によって示された.(証明終)
列ベクトルの表示がうまくいくかどうか…
arrayを使うのか、という気がつき。